XBeeモジュールの使い方(Radio Range testの方法)


 802.15.4ファームウェアを搭載した2台のXBeeデバイスを使用して無線範囲テストを実行する方法について解説します。今回はすでに2台のXBeeがペアリングがとれていることを前提に設定をしていきます。

・XCTUの設定:XCTUソフトウェアを開き、ローカルXBeeデバイスをコンピュータに接続します。ローカルXBeeのIDは2025、CEは1、APは1に設定します。

リモートXBeeはコンピュータに接続せずに電池動作あるいはUSB給電で動作させます。

・リモートデバイスの検出:XCTUインターフェースで、ローカルXBeeの画面に移動し、クリックして同じネットワーク内のリモートXBeeを検出します。選択したリモートデバイスをリストに追加します。

すると、リモートデバイスが検出されローカルデバイスの下に一回り小さなデバイスが表示されます。

・リモートデバイスの設定:左側のリモートXBeeのアイコンをクリックしてRadio Configurationを読み込みます。リモートXBeeのIDは2025、CEは0、APは0に設定します。Rage testを実施する際には、リモートXBeeが透過モード(AP=0)で動作するように設定されているため、この設定は必須となります。

 Radio Moduleに表示されているローカルデバイスのアイコンをクリックしRadio Configurationの内容をローカルデバイスに変更します。

 この状態で工具マークのアイコンで表示されているToolsをクリックし、Range testを選択します。すると以下のウィンドウが開きます。

 左側のSelected the local radio deviceの欄に表示されているローカルデバイスをクリックして選択しておきます。さらに、右側のConfigurationのRange Test typeから「Loopback」を選択します。すると右下のStart Rage testボタンがアクティブになります。

・Range testを開始:クリックするとRange testが開始されます。ループバックジャンパーがまだ設定されていない場合は、XCTUから有効にするように求められます。

 ループバック試験はローカルXBeeの送信ピン(TX)と受信ピン(RX)を短絡(接続)させる必要があります。これによりリモートXBeeが送信したデータをそのままローカルXBeeに送信できるようになります。XBeeは送信ピン(TX)が2番ピン、受信ピン(RX)が3番ピンですので、ループバックジャンパを装着することによりXBeeの2番ピンと3番ピンが短絡します。

 Range test(ループバック試験)のデフォルトでは100個のパケット(フレーム)を送受信することに設定です。送受信のタイムアウト時間もデフォルトのまま1000msにしておきます。

 左下にローカルXBeeとリモートXBeeそれぞれのRSSI(Received Signal Strength Indicator)が表示されています。また、右下はパケットの送受信の成功率を示しています。中段の左側にはローカルとリモートのRSSIとパケット送受信の成功率の経時変化がグラフ化されています。 リモートXBeeを移動させることにより、様々な距離における信号強度を観察することができます。これは、リモートXBeeセットアップの際に範囲能力を理解するのに役立ちます。

 レンジテストが完了したら、ループバックジャンパーをリモートデバイス上の元の位置に戻すことを忘れないよう注意喚起するウィンドウは表示されます。ループバックジャンパーを外してOKを押します。ループバックジャンパーをつけたままリモートXBeeをコンピュータに接続してXCTUで読込を試みてもうまくいきません。ループバック試験終了後に忘れないうちにループバックジャンパーを外しておくことをお勧めします。