XBeeモジュールの使い方(XBee STM Grove Development Board)


 今回はXBee STM Grove Development Boardのピンアサインに関する情報や、このBoardに接続可能なセンサ等の情報について解説します。

 XBee STM Grove Development Boardは、Digi International社のXBeeモジュールとSeeed Studio社のGroveモジュール(各種センサやアクチュエータ等)を簡単に組み合わせて利用できる開発ボードです。特にXBee3シリーズの無線モジュールをGroveセンサで活用したい場合に便利です。 GroveはSeeed Studioによって2010年頃(Arduinoの普及とほぼ同時期)に開発されたモジュール式の標準化されたコネクタおよびプロトタイピングシステムです。電子工作やプロトタイピングにおいて、センサやアクチュエータの接続を簡略化することができます。Groveコネクタ付きケーブル等は秋月電子通商等から入手可能です。以下にXBee STM Grove Development Boardを示します。

1.基本構成

(1)XBeeソケット:Digi社のXBeeモジュール(ZigBee, 802.15.4, DigiMesh など)を搭載可能です。

(2)Groveインターフェース:I2C, Analog, Digital, UARTの4種類のGroveポートが使用可能です。

(3)Micro USB:電源・通信・書き込み用で使用可能です。電源については電池からの電源供給も可能です。

以下にXBee3 STMのピンアサインを示します。XBee3 THは30ピンですが、XBee3 STMは37ピンあります。XBeeを正面から見て左上が1番ピンで、反時計回りにナンバリングされています。

XBee3 STMのピンアサイン

ピン名称方向デフォルト説明
1GNDGround.
2VCCPower supply
3DOUT/DIO13BothOutputUART data out /GPIO.
4DIN / ~CONFIG /DIO14BothInputUART data in /GPIO.
5DIO12BothGPIO
6RESETInputDevice reset.
7RSSI PWM/DIO10BothOutputRX signal strength Indicator /GPIO.
8PWM1/DIO11/I2C SDABothDisabledPulse width modulator /GPIO /I2C SDA.
9[reserves]Disabled Do not connect.
10~DTR/SLEEP_RQ /DIO8BothInput Pin sleep control Line/ GPIO.
11GNDGround.
12SPI_~ATTN/ ~BOOTMODE/DIO19OutputOutputSerial peripheral Interface attention. Do not tie low on reset.
13GNDGround.
14SPI_CLK/DIO18InputInputSerial peripheral interface clock/ GPIO.
15SPI_~SSEL/DIO17InputInputSerial peripheral interface not select/GPIO.
16SPI_MOSI/DIO16InputInputSerial peripheral interface data in/ GPIO.
17SPI_MISO/DIO15OutputOutputSerial peripheral interface data out/GPIO.
18[reserves]DisabledDo not connect.
19[reserves]DisabledDo not connect.
20[reserves]DisabledDo not connect.
21[reserves]DisabledDo not connect.
22GNDGround
23[reserves]DisabledDo not connect.
24DIO4BothDisabledGPIO
25~CTS/DIO7BothOutputClear to send flow control/ GPIO.
26ON/~SLEEP/DIO9BothOutputDevice status indicator/ GPIO.
27[reserves]DisabledDo not connector connect to Ground.
28ASSOCIATE/DIO5BothOutputAssociate Indicator/GPIO.
29~RTS/DIO6BothInputRequest to send flow control/ GPIO.
30AD3/DIO3BothDisabledAnalog input/GPIO.
31AD2/DIO2BothDisabledAnalog input/GPIO.
32AD1/DIO1/I2C SCLBothDisabledAnalog input/GPIO.
33AD0/DIO0BothInputAnalog input/GPIO.
34[reserves]DisabledDo not connect.
35GNDGround.
36RFBothRFI/O for RF pad variant.
37[reserves]DisabledDo not connect.

 Digiの資料ではアクティブ・ローは上線(オーバーバー)で表示されていますが、ここでは「~CONFIG」のようにチルダ(~)で表しています。アクティブ・ロー(Active Low)とはその信号が「Low(0V)」のときに有効になるということを意味します。例えば、「~CONFIG」の場合は4番ピンがLow(GNDに接続されている状態)になると、CONFIGモード(特殊設定モード)などが有効になります。

2. センサ接続(Groveモジュール)

 XBee STM Grove Development BoardのGroveコネクタに接続してすぐに使用可能なセンサの例と接続するポートを以下に示します。

センサ名ポート種別
温度・湿度I2CGrove – Temp.&Humi Sensor (SHT31, DHT12等)
加速度I2CGrove – 3-Axis Digital Accelerometer (±16g)
光センサAnalogGrove – Light Sensor v1.2
空気質センサUARTGrove – Gas Sensor v2 (MP503)
サウンドセンサAnalogGrove – Sound Sensor
超音波距離センサDigitalGrove – Ultrasonic Ranger v1.1
ボタン/スイッチDigitalGrove – Button
リレーDigitalGrove – Relay
モーションセンサDigitalGrove – PIR Motion Sensor

(補足)

 従来のXBeeの開発ボードであるXBIB-U-DEV等には装備されていなかった機能について補足します。

・ユーザーボタン:リセットボタンの下に配置されているボタンです。このボタンはXBee DIO4ラインに接続されたボタンです。このボタンは、DIO4ラインにユーザーがLEDを接続した場合にDIOラインをONできます。

・ポテンショメータ:XBee AD3ラインに接続された10Kポテンショメータです。未使用時の電力消費を抑えるために、ジャンパーを1つ用意されています。

・ループバックジャンパー:XBIB-U-DEVではループバック試験用の短絡ピンが2本でした。このボードではUARTをUSB(通常モード)に接続するための、またはUARTのRx信号とTx信号間のループバック接続を行うための3ピンジャンパーです。デフォルトではUARTをUSB(通常モード)に接続されています。ループバック試験を実施する場合はジャケットを右側の2本で短絡させます。