
今回はConfigurationの中にあるLocationの使い方について解説します。XCTU を起動してXBee3 モジュールをコンピュータに接続し、XBee3 モジュールを XCTU に追加します。さらに、無線モジュールのリストからデバイスを選択し、Configurationを読み込みます。この中のLocationの項目に位置情報パラメータを設定することができます。XBIB-C-GPS moduleを搭載したXBeeモジュールの場合には緯度、経度、その他の GPS 関連設定などが可能です。XBee3単体ではGPSを搭載していないませんが、手動で位置情報パラメータの設定が可能です。
XBee3 の802.15.4ファームウェアを例にしてLocation パラメータを使用する場合は、ユーザーが手動でLX(LocationX)、LY(LocationY)、LZ(LocationZ)に入力することができます。
LX(LocationX) | GPS 緯度座標 |
LY(LocationY) | GPS 経度座標 |
LZ(LocationZ) | GPS 標高 |
以下のように入力します。

上記で設定した位置情報をATコマンドモードでローカルで読み取ることも可能です。APを0に設定し、コンソール画面の右側で+++を入力することによりATコマンドモード入ることができます。OKが出て改行されたら、以下のATコマンドを入力します。ATコマンドは大文字でも小文字でも構いません。
atlx
このコマンドを入力してエンターを押すとLX(LocationX)に入力されたGPS 緯度座標が表示されます。同様に以下のATコマンドを入力するとLY(LocationY)のGPS 経度座標、LZ(LocationZ)のGPS 標高が表示されます。
atly
atlz

次にエンドデバイスXBeeのLocationの情報をコーディネータXBeeに送信する方法を説明します。エンドデバイスXBeeのAP=1(API)又は AP=2(APIエスケープ)に設定してAPIモードにします。コーディネータXBeeの64bitアドレスを把握します。
エンドデバイスXBeeのConsole画面のSend Framesの右サイドにあるプラスマークをクリックします。すると新たなウインドウが開くので、「Create frame using‘Frames Generator’ tool」をクリックします。すると下図のようにFrames Generatorの画面になります。
ここで、Frame typeはRemote AT Command (0x17)を選択します。64-bit destにコーディネータXBeeのアドレスを入力します。16-bit は不明なら 0xFFFEのままで問題ありません。Command にATコマンドを入力します。位置情報のATコマンドであるLX、LY、LZをひとつずつ指定します。ATコマンドLX、LY、LZを複数同時に指定することはできません。Parameterはブランクのままで問題ありません。APIフレームが完成したらOKをクリックしてこのウインドウを終了します。完成したフレームをAdd frameをクリックしてSend framesのリストに加えます。左上のシリアルコネクションボタンをクリックして接続します。この状態でSend framesのリストに加えたフレームをクリックして選択した後、Send a single frameをクリックしてフレームを送信します。

コーディネータXBeeのConsole画面を確認するとエンドデバイスXBeeから送信されたフレームを受信していることを確認することができます。

受信したフレーム構造を以下に示します。
Remote Command Response (API 1)
7E 00 15 97 01 00 13 A2 00 41 AE 36 69 00 00 4C 58 00 33 34 2E 32 35 34 50
Start delimiter: 7E
Length: 00 15 (21)
Frame type: 97 (Remote Command Response)
Frame ID: 01 (1)
64-bit source address: 00 13 A2 00 41 AE 36 69
16-bit source address: 00 00
AT Command: 4C 58 (LX)
Status: 00 (Status OK)
Response: 33 34 2E 32 35 34
Checksum: 50
Response のアスキーコード「33 34 2E 32 35 34」を10進数に変換すると34.254となり、エンドデバイスXBeeのLocationのパラメータのひとつであるLX(LocationX)GPS 緯度座標であることを確認することができます。