
前回はI/Oラインパッシングのひとつであるデジタルラインパッシングについて解説しました。デジタルラインパッシングには2つのモードが存在しますが、前回は変化検出モードに関して解説しました。今回は変化検出モードを利用したカスケード接続について解説します。
1.変化検出モードを用いたカスケード接続
XBee はデジタルラインパッシングの際に変化検出機能も設定が可能です。変化検出モードは、DIOラインに変化が発生するたびに DIO シフトを送信する機能を有しています。変化検出モードを有効にするためには、IC(Digital IO Change Detection)を対応する DIO ラインのビットマスクに設定します。今回は3個のXBeeモジュールを使用し、以下のようにデジタルラインパッシングにより順番にLEDを点灯させる方法を解説します。
・XBee(No.1)のDIO1のタクトスイッチを押す
↓
・XBee(No.2)のLEDが5秒間点灯する
↓
・XBee(No.2)のLEDが消灯したタイミングでXBee(No.3)のLEDが5秒間点灯する
2.設定例
今回はDigiMeshファームウェアを用いて変化検出モードを用いたカスケード接続を試みます。CHやIDの基本的なパラメータは3個のXBeeで全て一致しているものとします。
受信側XBeeでは受信したデジタル信号を一定時間保持するタイムアウトタイマーを設定する必要があります。タイマーは受信側XBeeで設定する必要があります。タイマーはD1に対応するT1(D1 Output Timeout)で設定します。
【XBee(No.1)】
D1 | Digital Input [3] |
IC | 0x2 |
【XBee(No.2)】
D1 | Digital Out, Low [4] |
D2 | Digital Input[3] |
IC | 0x4 |
IA | 0013A20012345678 XBee(No.1)のシリアルナンバー |
T1 | 0x32 (5000ms) |
【XBee(No.3)】
D1 | Digital Output, High [5] |
IA | 0013A20012345678 XBee(No.1)のシリアルナンバー |
T1 | 0x32 (5000ms) |
以下にXBee(No.2)のLED接続回路を示します。

以下にXBee(No.3)のLED接続回路を示します。

これらの設定がなされた後に、XBee(No.1)のDIO1のタクトスイッチを押すとXBee(No.2)に接続されたLEDが5秒間点灯し、点灯が終了したタイミングでXBee(No.3)に接続されたLEDが5秒間点灯します。動画の下側がXBee(No.2)、上がXBee(No.3)です。